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SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。

オムライス食べながら東京を外から考えてみた

先日、UnBoxed Tokyo 2025に参加するため、久しぶりに東京出張をしました。翌日、以前弊社で短期間働いてくれた山口さんとランチを共にするため、Jamesと私は目黒のオムライス屋さんに行きました。その時に話題に上がったのが「東京脳」でした。笑

この「東京脳」という表現は非常に的を射ていると感じましたが、その中で一つ特に印象に残ったのが、「効率性重視」のモードです。安曇野から東京に行くと、山手線の運行間隔の短さや各サービスオペレーションの無駄のなさを強く感じますが、社会のサービスインフラが世界でも類を見ないレベルで効率化されていることに驚かされます。(もちろん、少子高齢化の影響でデジタル化の進展は新興国よりも遅いですが、これは主にアナログ領域における話です。)

例えば、東京の電車システム。山手線や地下鉄の運行間隔が数分おきで、時刻表通りに運行されることが当たり前です。この正確さが東京の効率性の象徴であり、生活の中で「時間に無駄がない」という感覚を育てます。しかし、長野市では電車はあまり利用されず、ほとんどの人が車で移動します。そのため、私が長野市に住んでいたときは、東京のような「効率性重視」の感覚が少なかったことに気づきました。車での移動が中心となることで、効率よりも柔軟性や自由さが重視されている感じがありました。

さらに、東京でサラリーマンをしていた頃や創業してから3〜4年目を振り返ると、私自身も社会の効率的なサービスインフラに影響を受け、「効率性重視」の考え方が当たり前になっていたと改めて感じます。例えば、電車が30分遅延しただけでイライラしていた自分や、KPIの達成度でビジネスパーソンの評価が決まるような企業文化は、まさに社会の効率化の影響を反映しているように思えました。起業後、数年過ごした長野市では、東京ほどの効率性を求められる場面は少なかったため、あまり感じませんでしたが、社会のサービスインフラが高い効率性を求めるほど、その影響は企業や人々にも無意識に求められることを感じました。

ここで興味深いのは、オペレーショナルな仕事を地方の安い労働力を目当てに地方支社に振るという企業の一般的な考え方です。しかし、私はこの「東京脳」をベースに考えると、効率性や正確性が求められるオペレーショナルな仕事こそ、実は都市部でこそうまく機能するのではないかと思っています。むしろ、それと対極にあるクリエイティブで自由な発想を促す環境は、東京ではなく地方の方が整っているのではないでしょうか。

これは、これまでの本社・支社機能の発想とは真逆の考え方です。通常、企業は「安い労働力を目当てにオペレーションは地方で、創造的な仕事は都市部で」という考えが一般的ですが、逆に「効率性重視の仕事は都市部で、クリエイティブな仕事は地方で」という視点も可能だという気づきがあります。

例えば、ある企業では本社機能を東京から地方に移すことによって、社員に効率性重視から解放され、自由な発想を促すことを目指しています。これにより、地方におけるリモートワークやフレックス勤務を推進し、社員の満足度や生産性が向上した事例もあります。地方に移転することで、都市部では感じにくい「自由な発想」や「柔軟な働き方」を体験でき、これが結果として新しいイノベーションに繋がったのです。

また、リモートワークの普及により、地方から都心に移動しなくても、多様な働き方が実現可能になっています。企業は、地方の自然環境や広い空間を活かし、クリエイティブな仕事に集中できる場を提供するようになりつつあります。

ここで非常に参考になるのが、セガの取り組みです。セガは札幌市に開発拠点を構えており、ゲームの開発や設計、プログラミングなどを行っています。この拠点の魅力は、札幌という地域ならではの自然環境や生活の質にあります。札幌の新鮮な食材や美味しい料理、そして豊かな自然環境が、開発チームの心身の健康を支え、クリエイティブな発想を促進しているのです。(参照:セガが札幌にスタジオを設立したその理由は、札幌の暮らしやすさ――セガ札幌スタジオ代表・瀬川氏にインタビュー

このように、地方の魅力を活かしたクリエイティブ拠点の強みは、効率性重視の都市部とは異なるアプローチを提供し、より多様で革新的な成果を生み出す可能性を秘めています。地方に拠点を移すことで、企業は新しい価値創造の可能性を広げ、社員が自由に発想しやすい環境を提供することができるのです。

SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀