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Empower and Revitalize Japan for Next Generation

SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。

本当にやりたいことは、ずっと自分の中にあった

前回、「自分の心の声を無視しないこと」が自分の才能かもしれないと書きました。
ただしばらくして、その心の声を聞き続けることと、それを行動に変えることは別の話だなと、ふと思いました。

8年間、私は既存事業だけをやってきました。海外のSaaSを輸入して販売する。
日本の伝統工芸品を仕入れて届ける。どちらも誰かが作ったものを、うまく届ける仕事です。

前者は、国内にない圧倒的なテクノロジーを持つ海外テック企業のソリューションを国内に流通させることで、
デジタルマーケティングやEC領域に「もう一つの有力な選択肢」を提示できる。それは本当にやりがいのある仕事でした。
後者は、米国留学時代に感じた「Made in Japanの優れた伝統工芸が海外にまだ流通していない」という問題意識が動機でした。
米国の3つ星ミシュランレストランに使っていただける作品を届けられたことは、今も誇りに思っています。

でも、どちらにも悶々とする部分がありました。

「自分が本当に欲しいものを、欲しい人に届けられない」というジレンマです。
自分で1から作って自由に届ける。

リスクが大きいと分かっていたから、ずっと踏み込めなかった領域でした。

その考えがガラリと変わったのは、山でした。

250回以上の登山を続ける中で、静かに自分の内側と向き合う時間が増えていった。
樹林帯で、稜線で、山頂で。
余計なものが全部削ぎ落とされた状態で、自分の本音と向き合う時間をこの3年弱で作ってきました。

そこで初めて気がつきました。

本当にやりたいことは、ずっと自分の中にあった。

聞こえていなかったのではなく、聞こうとする余裕も時間もなかっただけでした。
目の前の既存事業を生存させること、成長させることに100%意識が向いていて、
残りの人生で本当に注力すべきことが見えていなかった。

そこから動き始めたことがあります。
共通しているのは一つのことです。

自分でコントロールできるものを作る。
仕入れて届けるのではなく、自分たちで作って届ける。
手間はかかる。

でも手を動かすからこそ見えることがある、と信じています。

28歳で社会人デビューした私は、数学者出身でビジネスの常識もスキルもゼロの状態で、
データアナリスト(アルバイト)として働き始めました。
そこでECのコンバージョンデータを毎日手入力で1ヶ月ひたすら打ち込み続けた。
一緒に働いていたイギリスも大学出身の仲間は、心を無にして機械のようにデータを打ち込んでいました。
でも私には、その非効率に見える作業の中で「数字」ではなく「お客さん」が見えてきた。
どんなペルソナの人が、どの都道府県から、どの商品を、どの曜日・時間帯に買うのか。

身体に染み込むように理解できたんです。
私は上司に「今日何件入力したか」だけでなく、
「今日お客さんの何が見えたか」を毎日報告していました。

手を動かさないと見えないものがある。

その感覚が、キャリアの最初に身体知として染み込んだ。
だから今も新規事業を地道に自分の手で動かしています。
それが必ず「手を動かさないと見えないもの」を教えてくれると分かっているから。

前回、「未来の自分との信頼関係を守ること」と書きました。
山が改めて教えてくれたのは、その信頼関係を守るための時間の作り方だったかもしれません。

心の声は、静かにならないと聞こえない。
AIを賢く活用しながらも、地道に頭と手を動かして身体知レベルの気づきを積み重ねながら、
新規事業を年内に一つ一つ形にしていこうと思います。

SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀

P.S.子供達の山登りも色んなことを考えさせられます。
小さな成長の階段を作ることで、小言を言いながらもちょっと前までは絶対に登れなかった山に
登れる姿を見て心にくるものがありますね。