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Empower and Revitalize Japan for Next Generation

SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。

先発優位は消えたのか、移動しただけなのか

運用型広告の世界には、長いあいだ「先発が強い」という常識がありました。

自動入札、予算配分、入稿の自動化——こうした最適化機能をいち早く実装したツールは、数年単位で市場に居座ることができました。Adobe Media Managerも、Kenshooも、日本の運用型広告市場で長く使われてきた歴史があります。一度確立した先行者の地位は、そう簡単には崩れなかったのです。

その常識が、ここ数年で崩れたように感じます。

二つの事例

GoogleがP-Maxを出したとき、多くのGoogle広告向けPPCツールが市場から消えた。

MetaがAdvantage+を出したとき、多くのFacebook広告ツールが同じように消えた。

これは別々のプラットフォームで、別々のタイミングで起きた、独立した出来事です。にもかかわらず、起きたことの形はまったく同じだったんです。プラットフォーマー自身が、自動入札や予算配分やクリエイティブ最適化を、自前で、標準機能として揃えてしまった。それまでツールベンダーが提供していた価値の中核を、プラットフォームが内側に取り込んだのです。

一件なら偶然と言えますが、二件、それも独立に同じ形で起きたなら、それは構造と捉えるべきです。

なぜ速くなったのか

背景にあるのは、言うまでもなくAIの急発展です。

かつては、最適化アルゴリズムを作り込むこと自体が参入障壁でした。だからそこに先行したツールベンダーが、時間という堀を得られました。プラットフォーマーが同じものを作るには相応の年月がかかり、その間ベンダーは優位を保つことができました。

いまは違います。プラットフォーマーは、以前とは比べものにならない速さで、最適化機能を自前で開発し実装できるようになっています。しかも彼らは、最も豊富なデータと、最も深いシステムへのアクセス権を最初から持っています。同じAIの波が来たとき、より速く、より深く乗れるのは、当然ながらプラットフォームの側になったと言えます。

かつてベンダーを守っていた「時間の堀」は、干上がってしまったと考えていいでしょう。

消えたのか、移動したのか

ここで結論を急ぎたくなりますよね?「先発優位は消えた?」と。

だが、それは正確ではないかもしれません。

消えたのは、プラットフォームの中核機能に隣り合ったレイヤーでの先発優位だと思います。入札の自動化で先んじても、予算配分で先んじても、その領域はいずれプラットフォームに飲み込まれてしまう。ここで先行することの価値は、確かに蒸発したと考えていいでしょう。

しかし先発優位そのものが消えたわけではないと感じます。それは別の場所へ移ったんです。プラットフォームが飲み込まない場所、飲み込めない場所、あるいは飲み込みたくない場所へ。

どこが飲み込まれ、どこが残るのか。その線をどこに引くか——そこに対する嗅覚が今求められているのだと感じます。

ひとつ確かなのは、「先に作ったから強い」という素朴な先発優位は、もう効かないということです。効くのは、「どのレイヤーで先んじるか」を正しく選んだ先発だけです。場所を間違えた先行は、むしろ最初に飲み込まれてしまいます。

淘汰されていったツールたちは、遅かったわけではありません。多くはむしろ速かったんです。ただ結果論なりますが、飲み込まれる場所で速かった…。

SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀

P.S.子供たちといきたい場所が増えました。酷暑が続く中、かき氷は最高の癒しですね。