Empower and Revitalize Japan for Next Generation
SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。
強者(Google)にも物申すカルチャー
楽天時代から国内外のデジタルマーケティングベンダーやマーケッターの方々と多く話す機会があります。その中で、個人的に国内と海外マーケッターのスタンスで大きく異なると思うのが、「Google、Facebookなどの超強者にも物怖じせずにストレートに物申すカルチャー」の有無です。具体的には、海外ではGoogleやFacebookに「このxxxという機能アップデートは改悪だよ、ダメだよ!」、「独占禁止法に当たるよ、それは!」とキチンと声を上げ、時にはGoogle(アルファベット社)を訴えます。実際に、今年7月には、米国36州でAndroidアプリ開発者への課金の仕方を巡って、反トラスト法(独占禁止法)に抵触する(青はハイパーリンク)とGoogleは訴えられました。私の限られたネットワーク内ですが、一方で日本では大手の広告代理店とGoogle Japanとの関係性からか、そういった批判的もしくは建設的な意見を聞いたことがほぼないです。全ての機能アップデートや対応の仕方が完璧な会社なんてないのに、「これはオカシイでしょ!」って声を上げづらい空気になっているとしたらすごく不健全な気がしてなりません。(ちなみに、SOPHOLAが扱っているプロダクトについては、有難いことに、ほぼ毎週批判的もしくは建設的な意見を多くいただいています。笑)
今回のブログでは上記をテーマにして綴っていきたいと思います。昔一緒にお仕事をしたGoogle広告最適化ベンダーでドイツ支社でカントリーマネージャーをされていた方に、以下の機能(一部のみ紹介)についてそれぞれ意見を聞いてみました。
1) 拡張テキスト広告が来年7月末で利用不可
回答:Googleがこの変更を行う理由は、Googleの主なもしくは唯一のKPIが広告のクリック率だからです。広告をクリックしなければ、広告収益が上がらないので当然と言えば当然ですね。したがって、自分たちの手の中でコントロールしたかったのだと思います。つまり、Googleのアルゴリズムでやればより高いクリック率になるように。
私は、これは非常に重大な変更と捉えています。期間限定やその他の広告主のUSPを広告に反映することが非常に難しくなったからです。拡張テキスト広告とレスポンシブ広告の使用について、広告主に選択を委ねるのであれば問題ありませんが、リスティング広告業界にそれを強要したり、得られるインサイトを限定化するのは正しいやり方ではないはずです。
2) プライバシーポリシーを理由に検索語句レポート一部非開示
回答: (これについては、)「本当に、Google?」と思いましたね。とっても大きな話で、とにかくやってることが正しくないですよ。Googleの興味関心は、広告主が部分一致でキーワードを入稿をしてより競合して入札単価を上げることですよね。(実際に検索され広告表示に至った検索語句のリストである)検索語句レポートを見ながら完全一致でキーワードを入稿するってことが困難になるわけですよ。これをやりつつ、プライバシー問題っていうのには正直大笑いしちゃいました。
いかがでしたでしょうか?みなさんのお知り合いの広告代理店の方々やマーケッターの方々で、ここまでちゃんと「これは本当に改悪なアップデートなんで気をつけましょ!」って仰ってる方って全くいないかマイノリティですよね?Googleから共有のあった新機能のアップデートをただ紹介して終わりだったりしませんか?
ちなみに「2) プライバシーポリシーを理由に検索語句レポート一部非開示」、海外の非常に多くのマーケッターが声を上げたからか、Googleが再度方向転換したようです。もっと検索語句を見れるように。笑 つまり、強い者(プラットフォーマー)とかにも「おかしいよ!」ってちゃんと言えるカルチャーを持っている人たちのみ「現状を変えることできる」んじゃないか、と。
SOPHOLAも私も弱者中の弱者ですが、引き続きクリティカルな視点を持ちながら「本当に広告主や顧客にとってどうなのか?」というのを軸に物事考え、行動していきたいと思います。もちろんGoogleのプラットフォームは本当に優れている機能も沢山ありますし、今後もきちんと向き合って利用していきます!
SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀