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2024年:本格的なクッキーレス対策が求められる(3)
前回、主要広告プラットフォームを中心とした業界的なクッキーレス対策を分かりやすく説明しました。
このシリーズの最終回となる今回は、広告主が個別に取るべき対策についてご紹介していきます!
1)解析ツールについて
日本の場合、GA4を解析ツールとして利用している広告主が圧倒的に多いので、「GA4を使ってるけど、クッキーレス時代でも大丈夫かしら?」というのが多くの広告主が感じてる不安の一つでしょう。まず、GA4はトラッキングにおいて1stパーティークッキーを利用しているので、主要ブラウザーの3rdパーティークッキー制限によるトラッキングへの影響はありませんのでご安心ください!
ただし、一方で個人のデータプライバシー保護を理由にクッキーの利用制限の強化を積極的に図っているApple社のSafariは、「1stパーティークッキーの有効期限を最大7日間にする」と1年ほど前に規制を強化されたようです。これにより、例えば、7日以降に再訪したユーザーを再訪ユーザー(リピーター)としてではなく、新規ユーザーとしてカウントしてしまうため、新規ユーザーやリピーターの計測精度に大きな悪影響を与えてしまうことになります。これに加えて、GA4では過去のクリックとコンバージョンの紐付けができるのが最大90日(デフォルト30日)になっているので、高単価商材などの比較的検討期間が長い場合はユーザーの態度変容などが分かりにくといった弊害もあるでしょう。(前述の通り、同一ユーザーの重複カウントといった問題も発生してしまいます)実際に、電通デジタルの調査によれば、「リピーターのうち、47.8%がCookieのリセットによって新規ユーザーとして誤認識されている」という驚きの結果が得られたそうです。
このような問題にアプローチするために、「サーバーサイドトラッキング」という手法があります。従来のクライアントサイトトラッキング(ブラウザー上でのユーザー行動追跡)とは異なり、サーバーサイドトラッキングはウェブサーバー上でユーザーの行動データを収集します。(Markopolo AIも同様の手法を使用しています)メリットとしては、
–高精度データ追跡:ブラウザの制約に左右されず、全てのユーザー行動を詳細に追跡することが可能です。
–ユーザープライバシーの強化:ユーザーのデバイスに依存せずにサーバー上でデータを処理することで、プライバシーを尊重した計測が実現します。
–セキュリティの向上:サーバーサイドでのデータ収集と保存は、より安全な環境で行われます。
などが挙げられます。GTM(Google Tag Manager)でもサーバーサイドトラッキングの設定が可能なので、そのオプションも調べてみるといいでしょうね。ただし、デメリットももちろんあります。
–設定の複雑さ:クライアントサイドトラッキングに比べて、サーバーサイドトラッキングの設定は技術的に複雑であり、導入には専門的な知識が必要です。
–データ遅延:データがクライアントからサーバーに送信され、処理されるまでに時間がかかるため、リアルタイムのデータ分析が難しくなることがあります。
–コスト増加:サーバーのリソースがより多く必要になり、データの収集と処理に関わるコストが増加する可能性があります。
また各種解析ツールもサーバーサイドトラッキングを採用していたりするので、GA4に限らず検討してみてもいいかもしれませんね!
2)広告プラットフォームについて
3rdパーティークッキーの活用制限で最も影響を受けるのが、それらをターゲティングで活用している各種広告プラットフォームです。いくつか代替策を用意されているので、それぞれの代替策をよく理解して自社に最適な代替策を実行に移していくことが重要になってきますね。
1.拡張コンバージョン(Google):
-ユーザーが提供する情報(例:メールアドレス、電話番号)を暗号化して広告主がアップロードします。
-広告プラットフォームは暗号化データを照合してコンバージョンを特定し、直接的な識別情報の使用を避けることができます。
2.ファーストパーティデータの活用強化:
-ウェブサイト所有者が直接収集したデータ(例:サイト訪問者の行動データ)を活用します。
-ユーザーの同意を基にデータを収集し、広告ターゲティングやパーソナライゼーションを行います。
3.プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox):
-Googleが提案する新技術で、ユーザープライバシーを守りつつ広告のパーソナライゼーションと測定を可能にします。
-現在開発中で、将来的な広告技術の標準となる可能性があります。
4.新しい識別子の使用(Meta):
-サードパーティクッキーに代わる新しい方法として、異なる識別子を使用します。
-ユーザーのプライバシーを尊重しつつ、効果的な広告配信を目指します。
解析ツールおよび広告プラットフォームでこれらの対策をタイムリーに取るためにも今から能動的にこれらの詳細な情報を集め、数ヶ月以内に対応を終えておくようにすると安心して年末年始を迎えられるのではないでしょうか?今回のブログが少しでもお役に立てていれば大変嬉しいです。
SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀