Empower and Revitalize Japan for Next Generation
SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。
バグとの闘い
弊社は既にグローバルテックスタートアップ、ベンチャー企業17社の日本市場進出支援の実績を有しています。前職の楽天:リンクシェアでの実績も含めると、23-27社ほどとパートナーシップ締結を行い、日本国内でPoC(Proof-of-Concept、概念検証)やトライアルをしてきたことになります。つまり、デジタルマーケティングテクノロジー領域においては、国内では電通を除いては恐らく最も多くのグローバルテックスタートアップ、ベンチャー企業との取り組み実績を持っているのではないでしょうか。
そんな中で、最近よく感じるセールスの初速を分かつのは、「バグの多さ」になります。基本的に未だスタートアップのアーリー・ミドルステージにあるグローバルテック企業は、競合スタートアップ・ベンチャー・大手企業にはない革新的な技術や機能を開発しているため、既に(何度もバグ発生→修正を乗り越えた)確立されたプロダクトやサービスと比べて、サービス提供中にバグが発生することが当然のようにあります。しかし、このバグの内容や発生頻度によっては、折角優れたポテンシャルのある技術を持ったテック企業でも、国内マーケットからの信頼を損ない、更には弊社の信頼も損なう事態に発展しかねません。
弊社で考えるバグ対応する際にバグをカテゴリーで分け、対応するようにしています。同時に、これらのカテゴリーは、対応の重要度と緊急度とも深く関わっています。
1)最適化に関する不具合(重要度・緊急度:共に最高)
弊社の扱うデジタルマーケティングテクノロジーソリューションは、「何かを最適化」します。それは、広告予算配分だったり、特定のロングテールキーワードに対して最適な検索表示結果をランディングページに表示したり。プロダクト毎に本当に多種多様な最適化を日々、毎時・分・秒行っています。しかし、何かしらのバグでこれらの最適化が止まったり、通常の働きができなくなった場合、顧客との完全取引停止や完全信頼損失につながる最も致命的なバグとなります。
2)データ取得に関する不具合(重要度・緊急度:最高、高い)
次に重要度・緊急度が高いバグは、「データがきちんと正しく取れない」というものです。データがきちんと正しく取れていないと「きちんと最適化ができているのか?」と不安感・不信感に繋がるだけでなく、ローデータをダウンロードしてツールROIを評価したりすることができなくなります。即座に完全取引停止や完全信頼損失に繋がるものではないですが、2〜3回続いたらもうアウトという印象です。
3)表示に関する不具合(重要度・緊急度:高い、高い)
そしてこのデータ取得の次に来るバグは、「データの表示がきちんと正しくされない」というものです。データ取得はできているものの、ツールの管理画面上でこれらがきちんと正しく表示されていないというものです。画面表示の一部だけでも長期間(1ヶ月以上〜)不具合がある場合、取引停止や大きな信頼損失に繋がりかねないバグではないでしょうか。
4)その他機能に関する不具合(重要度・緊急度:中以下、中以下)
1)〜3)以外にも、一時的にログインできない、ページ読み込みができないなど様々な種類のバグが存在します。これらのバグは、数ヶ月に1回くらいの頻度であれば特に取引停止や信頼損失に繋がるようなものではないため、重要度・緊急度共に中以下と捉えています。しかし、もちろん、短期間に多発すれば(月に2〜3回以上)顧客からすればログインしようとする度に目の当たりにするバグなので、「ユーザビリティーとか考えてるのかな?なんか使いにくいな〜」となり、少しずつ取引停止や信頼損失に近づく、大きくなる形になります。
弊社のお客様(販売代理店・広告主様)は、日本国内の広告代理店・広告主様と比較するとバグに関して比較的理解のある方々が多いと思います。「積極的な開発をしている証拠ですね、バグについては承知しました!」と言っていただくこともあるくらいです。しかし、テック企業側がこの寛容さに甘え、バグ対応の体制構築や再発防止策の立案・実行を怠れば、完全にマーケット進出機会を失うことを肝に銘じる必要があるとよく思います。弊社にとっても「こんなにバグの多いプロダクト持ってきて、本当に大丈夫か、この会社?」というレピュテーションリスク(会社の評判に関するリスク)を抱える形になります。この辺りを今一度、テックベンダーと共有して、日本国内はもちろん世界を見渡しても他にないテクノロジーを日本国内企業に提供していきたいですね。
SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀
P.S.今はもう懐かしい楽天時代の戦友、元Sentient TechnologiesのSVPジョンとの写真。交渉の仕方はもちろん、カスタマーサポート、プロダクトの展開に関して色々と勉強させてくれた方ですね。