Empower and Revitalize Japan for Next Generation
SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。
初めてのAmazon DSP:キャンペーン開始方法と基本戦略
Amazonで成果を出す広告運用は、いまやスポンサー広告(Sponsored Ads)だけではありません。
そこで重要になるのが Amazon DSP(Demand-Side Platform) です。
DSPは、Amazon内だけでなく外部のサイトやアプリ、動画サービスにも広告を配信できる「プログラマティック広告プラットフォーム」。ユーザーの行動データに基づいて、購入確率の高い人に自動的に広告を届けられるのが特徴です。
2026年の広告戦略でDSPが重要になる理由は?
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精度の高いターゲティングが可能
購買行動、興味関心、検索履歴などをもとに、自動で最適なオーディエンスに配信。 -
リターゲティングができる
商品ページを閲覧したものの購入に至らなかったユーザーに再アプローチ。 -
ブランド認知を大きく拡大できる
Amazon外のウェブサイト、アプリ、ストリーミングサービスへも配信できるため、認知拡大に強い。
Amazon DSPとは?
Amazon DSPは、Amazonが提供する「デマンドサイドプラットフォーム(DSP)」で、
ディスプレイ、動画、オーディオ広告 を、Amazon内外にプログラマティック方式で配信できる広告ツールです。
スポンサー広告が “Amazon内の検索結果や商品ページ” に表示されるのに対し、
DSPはAmazon外のさまざまな媒体にも広告を配信できるのが最大の違いです。
そのため、
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新規顧客の獲得
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ブランド認知の向上
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購買検討層へのリーチ
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カート放棄者へのリターゲティング
など、より広い広告戦略を組み立てられます。

Amazon DSP 初心者ガイド:最初のキャンペーンを立ち上げるステップ
Amazon DSPは、スポンサード広告よりも広く深い広告配信ができるツールです。Amazon内外に広告を届け、オーディエンスに合わせて精度高くリーチし、ブランド認知から購買までを包括的にサポートします。
ここでは、初めてAmazon DSPを使う方向けに、設定〜配信開始までをステップごとに解説します。
1. DSPのキャンペーン構造を理解する
初めてDSPに触れると「階層が多くて複雑そう」に感じるかもしれません。
ですが、慣れると非常に論理的な構造になっています。
DSPは以下の階層で構成されています:
- Account / Advertiser(アカウント / 広告主)
複数国で出稿する場合はマーケット別にAdvertiserを分けることもできます。 - Orders(オーダー)
スポンサード広告でいう “キャンペーン” に相当。目標・予算・KPI を設定する場所。 - Line Items(ラインアイテム)
実際の配信単位。ターゲティング・配信面・入札・配信期間を設定します。 - Audiences & Creatives(オーディエンス / クリエイティブ)
実際に誰に(audience)、どの広告を出すか(creative)を紐づける。
構造:Account → Advertisers → Orders → Line Items → Audiences & Creatives
この「道順」を理解すると、DSPの操作が非常にスムーズになります。
2. DSPのOrder設定を構成する
新しいOrder(キャンペーン)を作成したら、細かい設定を行います。
■ Order名(Naming)
「Q4 Remarketing」「Brand Awareness – New Launch」など、
目的がひと目で分かる名前 にしておくと後から管理しやすくなります。
■ Campaign Goal(目的)
DSPには以下の3つの目標があります:
- Awareness(認知)
- Consideration(検討)
- Conversions(購買)
設定した目標によって自動で推奨設定が変わることもありますが、
主に「運用の意図を明確にする」ための選択です。
3. KPI と 運用戦略を設定する
DSPでは、ROASなどのKPIを設定して自動最適化させることも可能です。
逆に、KPI設定なしで手動で最適化することもできます。
■ 予算配分の戦略(Pacing Strategy)
予算の使い方は2タイプ:
- Even pacing(均等配分):常時一定の配信
- Accelerated(加速配分):Prime Day・ブラックフライデーなど短期集中に強い
4. 予算とフライト(期間)の設定
DSPでは 「トータル予算」+「フライト(期間ごとの予算)」 の2段階で管理します。
例:
四半期の予算が30万円
- Flight 1:15万円(10月)
- Flight 2:15万円(11月)
フライト設定を忘れると、予算が残っていても配信が止まるため要注意。
また、企業ポリシーに合わせて 月次・日次の上限設定 も可能です。
5. 商品の選択とフリークエンシーキャップ
広告対象となるASINを追加し、
フリークエンシーキャップ(ユーザーに見せる上限回数) を設定します。
上限を設定しないと、ユーザーに広告が出すぎて逆効果になるため、
DSPでは必ず設定するのが基本です。
6. Line Item の設定
Line item では、より細かい配信設定を行います。
■ 配信面(Inventory / Placement)
例:
- Amazon デスクトップ
- Amazon モバイル
- 外部Webサイト
- アプリ
- CTV / OTT
どこに表示するかの設定は、ここで行います。
7. オーディエンス(ターゲティング)設定
DSPの最大の強みがオーディエンスターゲティングです。
■ 主なオーディエンス例
- 商品閲覧リターゲティング
- カート放棄リターゲティング
- ブランド閲覧者
- 過去購入者(※リピート率が高い場合は“除外しない”戦略も重要)
- 類似(Lookalike)オーディエンス
- 第三者データ(ライフスタイル、興味関心)
- 競合閲覧者(Competitor Viewers)
特に強力:競合閲覧者ターゲティング
過去7日以内に競合商品を見たが買っていないユーザーに配信する、など
非常に高いコンバージョンを期待できます。
8. Line Item の予算・スケジュール管理
Line itemごとに配信期間を延ばしておくと、意図せず配信停止になるリスクが軽減されます。
■ 予算の割り振り例(月 50万円)
- 新規獲得(Prospecting):35万円
- リマーケティング:15万円
■ 入札(Bidding)
最大 CPM を設定してコストの上限を調整できます。
- Always-on:均等配分(Even pacing)
- セール時期:加速配分(Accelerated)
9. DSPのクリエイティブ
DSPでは Dynamic e-commerce ads(動的EC広告) が主流です。
メリット:
- ASINを選ぶだけで広告が自動生成
- 配信面に応じて自動リサイズ
- Amazonが最も効果の高い配置へ自動最適化
カスタムクリエイティブも可能ですが、
一部の最適化機能や枠は Dynamic形式が必須 です。
まとめ
Amazon DSPは、スポンサー広告だけでは獲得できない
- 新規顧客の開拓
- 強力なリターゲティング
- ブランド認知の拡大
- 競合対策
が可能なプラットフォームです。
最初は複雑に見えても、
階層構造・予算管理・ラインアイテムの役割を理解すると、
高度な広告運用を実現できます。
今回のブログでは、Amazon DSPの基本的な立ち上げ方についてお伝えしました。
次回のブログでは、「m19を使って、誰でも簡単にDSPキャンペーンをセットアップする方法」 をご紹介します!
Amazon DSPは最初は複雑に感じるかもしれませんが、m19を使えば驚くほどシンプルで扱いやすくなります。
ぜひ次回の更新もお楽しみに!
SOPHOLA株式会社/m19 Japan
執行役員/取締役
飯野 芳里
