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2024年:本格的なクッキーレス対策が求められる(2)
このテーマで第1回は、背景・概要・重要性について分かりやすく説明しました。今回は、その続きで業界的な取り組みを詳しく見ていきたいと思います。
2.業界の取り組み
ブラウザー側で3rdパーティークッキーのデフォルトブロックが進む中、広告プラットフォーム/ASPや広告効果測定システムなどでトラッキングの対策が進められています。
広告プラットフォーム:
①Meta社:2年ほど前に、クッキーを使用せずに、サーバー経由でMeta広告のコンバージョンを計測することができるConversion API(略称:CAPI)という手法をリリースしています。これを導入することによって、「コンバージョン計測の精度の向上」や「広告パフォーマンスの最適化」などが期待できます。一方で、エンジニアなどの専門知識を持つ人が実装する必要があるため、工数・費用がクッキー利用と比べるとかかります。したがって、弊社の経験上では、CAPIという手段を使っていない広告代理店や広告主(知らない場合も多い)が圧倒的に多いです。
②Google社:他広告プラットフォームと同様に、コンバージョン測定のために設定したタグでクリックIDをクッキーに書き込んで、コンバージョンデータを送信する手法を取っていました。Googleが3年ほど前にリリースした拡張コンバージョンという手法は、ユーザーがコンバージョンする際にタグが個人情報をハッシュ化してコンバージョンデータを送信します。メリット・デメリットは、Meta社と同様のため、拡張コンバージョンを使っていない広告代理店や広告主(知らない場合も多い)が圧倒的に多いです。
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー):
主要なASPは、デバイスフィンガープリンティングや1stパーティークッキーへの移行などで、ブラウザーの3rdパーティークッキーブロックへの対応を進めています。アフィリエイターは、コンバージョン発生の成果報酬型で報酬がもらえるため、Chromeの完全3rdパーティークッキーブロックに対して対策がきちんと出来ているASPかどうかをシビアな目で見てくるのではないでしょうか。
広告効果測定システム:
アドエビスを代表とする、ほとんどの広告効果システムはファーストパーティークッキーを活用しており、ITPの制限内でデータ計測を行う対応をしています。
ASPを除いては、どちらかというと広告プラットフォーム側の対応不足というよりは、クッキーレスの対応をするのにエンジニアの工数・費用がかかるために、「広告代理店も面倒臭いため触れない」→「結果、広告主も必要な対応を知らない」っていう状況が続いている気がします。しかし、今年後半から来年前半にかけて、Chromeが完全に3rdパーティークッキーをブロックするタイミングでは、Chromeユーザーの数が非常に多いため、この現状を変えていないと不正確なコンバージョン計測による誤った成果評価、リマーケティング精度の低下、広告最適化(機械学習)の精度の低下など、これまでの比でないくらい負のインパクトが想定されます。今回のブログを機にぜひタイムリーな対応をあらゆる広告主がされることを祈っています!
SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀