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SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
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2024年:本格的なクッキーレス対策が求められる(1)

デジタルマーケティング業界にいる人間であれば、今年は非常に大きな転換期を迎える年であり、自社や他社(顧客企業含む)において相応の転換準備が求められていると認識しているはずです。具体的には、「3rdパーティークッキーから代替トラッキング手段」への転換に対する準備になります。今回は、異業界の方にも分かりやすく本トピックの背景・概要、重要性、業界の取り組み、そして各社でとるべき準備について解説していければと思います!

1.本トピックの背景・概要・重要性
現在、ほとんどの広告主は3rdパーティークッキーという30年くらい前に発明された技術を使って、Web広告の配信や効果測定をしています。具体的な活用例としては、
・ドメインを横断したトラッキング
・広告のオーディエンスターゲティング(リターゲティング、行動ターゲティング)
・アフィリエイト広告
・コンバージョントラッキング
などが挙げられます。ユーザーのプライバシー保護を理由に、2017年9月にAppleがITP(Intelligent Tracking Prevention)というクッキー利用制限、無効化、削除の業界的なイニシアチブを取り始め、業界的にコンセンサスの取れた代替ソリューションも存在しないにもかかわらず、Apple(Safari)だけでなく、その他の主要なブラウザーを有するMozilla(Firefox)、Google(Chrome)、Microsoft(Edge)なども3rdパーティークッキーをトラッキング手段として利用しないもしくは利用させない方向に舵を切ることになりました。

この方向転換は業界的にかつてないほどのインパクトを与えましたが、Google(Chrome)がさまざまな理由を付けて3rdパーティークッキーの完全なる不活用を2024年まで遅らせたため(当初は2022年までにはChromeの3rdパーティークッキーデフォルトブロックをする予定でした・・・)、そのインパクトを7年間に渡って薄く間延びさせることができました。しかし、Googleは2024年後半には3rdパーティークッキーの完全なる不活用を現在目指しており、世界のデジタルマーケッターも「いよいよ、時が満ちた」と思っているでしょう。笑

日本の場合、statcounterによれば、2023年12月現在の主要ブラウザーのシェアは、Chrome:54.52%、Safari:25.1%、Edge:12.55%、Firefox:4.3%となっています。すでに3rdパーティークッキーデフォルトブロックしているSafari&Firefox:29.4%にChromeが加われば、実にChrome&Safari&Firefox:83.92%の3rdパーティークッキーがブラウザーによってデフォルトブロックされて、先述の例に挙げたようなWeb広告の配信や効果測定に活用できない状態になることを意味しています。業界人はこのインパクトを熟知していますが、異業界の人にこの問題の大きさがどれくらい伝わっているのか…。

次回は、この問題に対する「業界的な取り組み」をご紹介したいと思います!ご興味ある方は是非お楽しみにしてください!

SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀