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SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。

運用型広告においてテクノロジーやツールより大事な5つのコト

アイレップに入社して運用型広告を学んでから来月で9年が経とうとしています。この9年の間に、運用型広告(例:Google、Yahoo! Japan、Facebook、Twitterなど)の多くの部分でテクノロジーの発達に応じた自動最適化(運用工数削減や広告パフォーマンスの改善)が利用されるようになってきました。例えば2010年代前半までEfficient Frontier、Marin、Kenshoo、Adobe Search Centerなどの自動入札ツールは、文字通り広告の入札設定を自動的に設定して、最適化してくれるだけでしたが、2010年代後半に入り広告予算配分、キーワードメンテナンス、広告クリエイティブなども自動的に最適化できるようになっていきました。

私もこのテクノロジー進化をキチンと享受して、運用型広告のレベルを何段階も上げることが大切だと思い、テクノロジー領域に確固たる強みを個人、会社の両方で保有していると自負しています。(これまで受けたアワードも全てその強みのおかげ)しかし、最近他社の運用型広告の状況を聞いたり、見たりすると業界の先輩方が創られた「運用の基本の型」みたいなものがスッポリ抜けているなぁとよく感じます。そこで、今日はその基本の型で特に大切な5つのコトをシェアしたいと思います。
1. ヒアリング
広告主のビジネスモデル、KGI/KPI、マーケティング課題などを一つ一つ丁寧にヒアリングして、そもそも「運用型広告実施する、でソリューションとして良いかどうか?」も含めて確認することが大切です。現・前広告代理店に提供していた情報をそのままアップデートせずに渡し・渡され、運用型広告が運用されている話をよく聞きます。私のアイレップ時代の優秀な先輩方は結構このヒアリングをきっちりやられてたなと今になって思いますね。

2. インフラ
サイト内外のユーザー行動トラッキングや計測環境(例:解析タグ、広告タグ)を見直して、広告効果の検証やターゲティング施策などをキチンとできるようにすることもめちゃくちゃ大事です。地味ですが、これも見直さずにそのまま前代理店のアカウントをリプレイスして広告運用に入られるケースがあるようです。総合通販サイトなのに、広告タグで販売価格のデータ取得してなかったり…。

3. データチェック
広告や解析ツールのアカウントのデータを毎日もしくは毎週見ない、というのもあるあるです。媒体や3rdパーティーツールの自動最適化の多くは、決められた方向性(ゴール、制約条約、参照データなど)に人間が手でやるより早く進む手助けをしてくれるだけです。したがって、データをキチンと見て方向性に間違いがないか、修正すべき点がないかどうかを日々確認することが大事です。人間が手でやらなきゃいけない時代は、データチェックがマストになるのでこういうことにいち早く気付けたんですよね。ただし今は「ツール/テクノロジーにお任せ気分」になって、データチェックが疎かになっている気がします。(自戒の念も込めて)

4. レポーティング
ツールやテクノロジーが多くの日常の施策(オペレーション)をやってくれて、データチェックも日々細かくやらなければ、考察と施策のないデータの羅列のレポートを広告主は毎週、毎月受ける感じになりますよね。昔の広告運用者はパワポは作れなくても、めちゃくちゃ数字を見て、色々な運用型広告の施策を考えて提案していた気がします。

5. アカウントメンテナンス
最初のアカウント構成から始まり日々のキーワード、クリエイティブ、プレースメントなどメンテナンスも失われつつある基本の型の一つです。3のデータチェックのように、現在の最新のテクノロジーやツールを使っても全く新しい切り口や都度行われるマーケティングキャンペーンに最適なキーワードセットをタイムリーに追加してくれるわけではないです。広告クリエイティブ(広告文、バナー、動画)も全部一緒ですね。こういった人間しかできない面倒臭い、頭使うコトを日々やりつつテクノロジーを活用すると成果が飛躍的に改善します。(経験談)

ちなみに完全余談になりますが、今と昔変わらないのは、「媒体側の情報や手法に関する盲目的な信仰心」が多く見受けられることですかね。(3rdパーティー側は、割といい意味で批判的な見方をされる気がします)現状のやり方に常に疑問を持って、改善の余地を探し続けている方/企業は、やり方が我々と違ってもすごく共感しますし、ご一緒していきたいなぁと思ってます!

今回のブログは、綴っていたらアイレップの先輩方の顔を思い出して懐かしい気持ちになりました。笑

SOPHOLA株式会社
創業者兼代表取締役
飯野 正紀
追伸:大人になって泳げなくなったのを思い出し、来年は基本に立ち返り泳ぎ方勉強します。笑