ブログ Blog

Empower and Revitalize Japan for Next Generation

SOPHOLAのVision(目指す世界観)、Mission(果たす役割)、Values(大切にする価値観)を体現する取り組み・アイデアを発信。
SOPHOLAの雰囲気がわかるような社員の日常や想いも更新していきます。

ECサイト運用の前に、お伝えしたいこと

私はECコンサルタントでもなければ、ECサイトを運用していたわけでもありません。Amazonや楽天で思いついた時にサーフィンやゴルフ関連のグッズや生活雑貨など欲しいものを買ったり、筋肉のためにアミノ酸を定期購買するようなただの1ユーザーです。ただ、日頃多くのECサイトを運用される企業様とお話しさせていただく中で、その運営方法というか組織についてどうしても気になるポイントがあり、いい機会なので是非お伝えしたいと思います。

2021年のBtoCのEC市場規模は、20兆6,950億円となり(令和4年8月経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」より )、今後も各国のトレンドを見ると、ますます成長していく分野だと言えます。
余談ですが、伸長率の昨対比を見ると、7%程度※なので、巣ごもり消費が増えたとはいえ、そこまで爆発的ではないのかなという所感です。※2020年19兆2,779億円→2021年20兆6,950億円
とはいえ、年々伸びている市場ですので、これからECサイトをやってみよう、もっとECサイトに商品を増やしてみよう、ECサイトの広告費を増やしてみようとお考えの企業様もいらっしゃると思います。以下のポイントはその際に是非参考になれば幸いです。

最近こういったお客様がいらっしゃいました。「商品はあるのでAmazonと自社サイトで販売しはじめた。まずは売れるかわからないがスタートして、スケールするようであれば人を配置してみようと思う」と。始めるきっかけは別に良いも悪いもないので、各社様のご状況によると思います。ただ、数ヶ月後に上席の方にお話しを聞くと、「予想以上に反響があった。在庫管理や売上管理で担当者が急に忙しくなった。ただ、テコ入れしたいが本人にしかわからないので、何を改善して欲しいか聞いている。」
その後しばらく経って状況を伺うと、ほぼ何も解決していない、どんどんその担当者のタスクが増えていく、という状況でした。始められた背景を細かく伺ってはいなかったので、ご事情はあると思いますが、事前に押さえておくべきポイントは複数あったかと思います。その担当者の方からすると「いや、それで言うと人も時間も予算も欲しいし業務プロセスも改善したい。。。全部です」というのが心の声だと推測します。

やはり何をテストするにしても、何を得るためかゴール設定が必要だと思います。先ほどの上席の方はゴールが明確でなかったように思います。webやソーシャルメディアである程度の情報は得られるでしょうし、知人や懇意にされている方などを辿れば、ECサイトやり始めた、アドバイスできるよなんて方にすぐ行き当たると思います。まずは意見を収集して、どんな状況になるか、と推測はできるでしょう。なので、「これを売ってみようと思うけど、ゴールはこう考えてるんだ、どう思う?」とフランクに聞けそうな方に聞いてみることをお勧めします。予想外に押さえるべきポイントやノウハウを持っている方、アドバイスをくれる方がいるかもしれませんよ!

しかし、今回私が一番お伝えしたいポイントは「購入してくださった顧客に対する満足度向上施策をはじめとして、能動的に購買していただく仕組みづくり、リピートやアップセルにつながるリテンション活動、総じてカスタマーサクセス」を最初から考えられるか?という部分です。もっと言うと、ECサイトのゴール設定の中に、売上や平均単価、費用対効果など様々な尺度はあると思いますが、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を意識できるか。LTVのうち、ある項目を数値化し、効果/KPIを追えるような体制に持っていけるか?が重要だと考えます。私はSaasプロダクト企業でカスタマーサクセスの組織マネジメントを担当していた時期がありましたが、LTVの項目を定め各顧客をスコアづけし、優先度をつけていました。そうすると自ずと工数などが可視化できますし、戦略顧客も見えてきます。KPI、さらに担当者の評価指標も明確になります。

一般的には新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかると言われていますが、私もサーフィンツアーの事業を5年ほど続けてきて(ちなみにSOPHOLAは副業可です!)、季節要因やターゲットをコントロールすると、新規顧客に費用をいただけるのに、5倍どころかそれ以上はコストがかかっています。テストや短期でECをやってみよう、と思ってもいずれ顧客獲得やリテンションにコストはかかるものです。ですので「いずれLTVのことを考える必要があるので、最初から考える仕組みをつくっておいた方がいいです!」とお伝えしたいですね。
(カスタマーサクセスの組織については言いたいことも多いので、それは別のエントリでお伝えしますね)

すでにシーズンやタイミングを合わせてその顧客に対しメッセージを送る等のアプローチを自動化できるCRMソリューションはこの世に多数ありますが、今後はLTVをAIで予測/可視化するソリューションも出てくると思います。
SOPHOLAでは、ECサイトの広告最適化ソリューション(m19、AdScale E-commerce)を取り扱っていますが、将来的には私たちもそういった分野でもお役立ちできるよう、どのようなソリューションや仕組みがよいか、調査しているところです。是非ご期待ください。

SOPHOLA株式会社
山口 武洋